クレジットカード利用者の中でも「便利だから」「毎月の支払いが楽になるから」とリボ払いを選ぶ人は少なくありません。
しかし実際には、リボ払いは消費者金融に匹敵する高金利と、複雑な仕組みから借金を膨らませやすい危険な支払い方法です。
この記事では、リボ払いの基本から隠れたリスク、実際のシミュレーション、そして安全に使うための代替策まで徹底解説します。
リボ払いとは?基本の仕組みを理解する
リボ払い(リボルビング払い)は、利用金額にかかわらず毎月一定額を支払う方式のことです。
例えば10万円を利用しても、毎月「1万円だけ」支払えばよい…という宣伝を見かけますが、実際には以下のような仕組みになっています。
リボ払いの流れ
- クレジットカードを利用すると、利用残高が「リボ専用残高」に加算される
- 毎月の支払いは「設定した定額(例:1万円)」+「高い手数料(金利)」
- 残高が減るスピードよりも金利が積み重なることが多い
つまり、表面的には「支払いが軽く見える」反面、借金が長期化しやすい仕組みになっています。
リボ払いの金利は実質どのくらい?
リボ払いの金利は多くのカード会社で「実質年率15%」前後に設定されています。これは消費者金融のキャッシング並みに高い数字です。
例えば10万円をリボ払いにして、毎月1万円ずつ返済した場合のシミュレーションを見てみましょう。
シミュレーション例
・利用額:10万円
・金利:年率15%(月1.25%)
・毎月返済額:1万円
→ 返済総額は「約11万5,000円」に膨らみます。
わずか10万円の買い物に対し、1万5,000円の利息を余計に支払う計算です。
さらに利用額が増えたり、毎月の返済額を少なく設定していると、完済まで数年かかるケースも珍しくありません。
リボ払いが危険な理由
リボ払いが「危険」と言われるのには明確な理由があります。
① 支払い総額が見えにくい
「毎月一定額」という仕組みは心理的に安心感を与えますが、残高がどれだけ残っているのか分かりにくく、結果として支払いが長期化します。
② 高金利で借金が膨らむ
15%前後という高金利は、銀行のカードローンや住宅ローンに比べて極めて不利です。借金が「減らない感覚」に陥りやすくなります。
③ 利用者心理を突いた仕組み
「少額だから大丈夫」と錯覚させ、実際には大きな残高が積み上がっているケースが多くあります。カード会社にとっては安定的に利息収入を得られる仕組みです。
実際の被害事例
消費生活センターや金融庁への相談事例では、リボ払いで数十万円から数百万円の借金を抱えてしまうケースが後を絶ちません。
「毎月の支払いが数千円だから大丈夫と思っていたら、残高が100万円を超えていた」という相談もあります。
特に若年層や、収入が安定していない人にとっては生活破綻のリスクが高まります。
リボ払いに依存しやすい人の特徴
- 収支の管理が苦手で家計簿をつけていない
- 衝動買いが多く、買い物依存気味
- 「ボーナスでまとめて返せばいい」と考えている
- カード会社のキャンペーンに惹かれやすい
これらに当てはまる場合は、リボ払いに手を出さないことが最も安全です。
リボ払いから抜け出す方法
もしすでにリボ残高がある場合は、以下の方法で早期完済を目指すことが重要です。
① 繰上げ返済を利用する
リボ残高がある場合、追加で一括返済や増額返済をすれば利息を大幅に減らせます。
② 金利の低い借入に切り替える
銀行カードローンやおまとめローンに借り換えることで、金利負担を軽減できます。
③ カード会社に相談する
支払いが難しい場合は、早めにカード会社へ相談すれば分割返済への切替など対応してもらえることもあります。
リボ払いを避けるための賢いカード利用術
- カード利用は一括払いを基本にする
- 高額な支出は計画的に「分割払い(低金利)」を検討する
- 毎月の利用額は収入の30%以内に抑える
- 家計簿アプリやカード会社アプリで利用額を常にチェックする
これらを徹底することで、リボ払いの罠に陥るリスクを大幅に下げられます。
まとめ:リボ払いは「便利」ではなく「危険」
リボ払いは「毎月の支払いが軽く見える」反面、
・高金利で返済総額が膨らむ
・残高が見えにくく借金が長期化する
・気づけば数十万円〜数百万円の負債に膨らむ危険がある
というリスクを抱えています。
クレジットカードは正しく使えば便利なツールですが、リボ払いだけは避けるのが賢明です。
もしすでに利用しているなら、今すぐ返済計画を見直し、早期完済を目指しましょう。