そんな身近な食事の場で、思わぬ食中毒が発生しました。鳥取市内の飲食店で、職場仲間と訪れた女性6人が体調不良を訴え、検査の結果「カンピロバクター菌」が原因と断定されたのです。
幸い重症者はいないものの、店舗は営業停止処分に。今回の事例は、日常の食事でも油断できない衛生管理の難しさを浮き彫りにしています。
鳥取市で発生した食中毒の概要
鳥取市保健所は10月25日、同市末広温泉町の飲食店「かあちゃん公認の店 鳥兼（とりかね）」で食中毒が発生したと発表しました。発症したのは20〜40代の女性6人で、いずれも同じ職場に勤務。17日に同僚9人で来店し、焼き鳥やおでんなどを食べていたといいます。
6人全員の便からカンピロバクター菌が検出され、保健所は同店を25日から5日間の営業停止処分としました。
■ 原因と背景 加熱不足や交差汚染の可能性
カンピロバクター菌は、鶏肉を中心に広く存在する細菌で、加熱不足の料理やまな板・包丁の使い回しによって感染することがあります。潜伏期間が1〜7日と長いため、発症までに時間がかかるのが特徴です。
今回のケースでは、焼き鳥の加熱状態や、生肉と調理済み食品の接触などが原因の一つとみられています。
■ 行政の対応と検査体制
鳥取市保健所は原因究明のため、調理場や食材の検体を採取し、詳細な衛生検査を実施。店舗側も協力姿勢を見せており、再発防止に向けた改善策を検討しています。
営業停止期間中は、調理器具の洗浄・消毒や再教育を行い、再開時には再検査を経て営業再開となる見通しです。
■ 被害の状況と健康被害
発症した6人は下痢や発熱、倦怠感などを訴えましたが、全員が快方に向かっており、入院者はいません。カンピロバクターによる食中毒は、脱水や一過性の体調不良にとどまることが多いものの、まれに重症化するケースも報告されています。
- 鳥取市の飲食店「鳥兼」で6人が食中毒
- 原因はカンピロバクター菌
- 焼き鳥やおでんを喫食、職場仲間で来店
- 店舗は5日間の営業停止処分
- 全員が快方に向かっている
■ 専門家の見解 「鶏肉は中心まで加熱を」
食品衛生学の専門家は、「カンピロバクター菌は非常に少量でも感染するため、焼き鳥などは特に注意が必要」と指摘します。
また、「串打ち後の肉の保管温度や、生肉と調理済み食品の区別も重要」と話し、調理工程の徹底管理を求めています。
■ SNS上では「他人事じゃない」と反響
X（旧Twitter）では「焼き鳥は大丈夫だと思ってた」「生焼けだったのかも」といった声が相次ぎ、「家庭でも注意が必要」との意見も多く見られました。
飲食店の利用者からは「衛生管理の徹底を信じたい」といったコメントも寄せられています。
■ 再発防止と消費者への注意喚起
店舗は営業再開に向けて、調理器具の再点検やスタッフ教育を強化。保健所も監視体制を強化する方針です。
一般の消費者に対しても「肉料理は中心部まで十分に加熱する」「調理器具をこまめに洗う」など、家庭でもできる基本対策の徹底が呼びかけられています。
よくある質問（FAQ）
Q1： カンピロバクター菌はどのように感染しますか？
A： 主に加熱不足の鶏肉や、調理器具の使い回しで感染します。
Q2： 食中毒が疑われるときはどうすれば？
A： すぐに医療機関を受診し、保健所への相談も推奨されます。
Q3： 自宅で防ぐ方法は？
A： 鶏肉は中心まで火を通し、生肉に触れた箸や皿は必ず洗いましょう。
Q4： 店側に補償は求められますか？
A： 健康被害や治療費が発生した場合、店舗や保険会社が対応するケースもあります。
まとめ：
今回の鳥取市での食中毒は、誰にでも起こり得る「日常の落とし穴」でした。
焼き鳥やおでんといった身近な料理こそ、調理時の温度管理と衛生意識が欠かせません。
食の安全を守るのは、店舗だけでなく、私たち一人ひとりの注意でもあります。
