あなたも、全国蒲鉾品評会で高い評価を受けた老舗かまぼこ店が、「なぜ自己破産申請へ?」と驚いたのではないでしょうか?
宮城県亘理町の「馬上(ばじょう)かまぼこ店」は、1912年創業、100年以上にわたってかまぼこを製造してきた老舗メーカーです。
「吉次入りかまぼこ」などの商品は全国蒲鉾品評会で水産庁長官賞を受賞するなど、品質面でも評価されていました。
しかし、同業他社との競争激化に加え、原材料費や店舗運営費の上昇などが経営を圧迫。4期連続の赤字となり、2025年6月期には約6000万円の純損失を計上して債務超過に陥っていました。
この記事では、「馬上かまぼこ店 破産」「馬上かまぼこ店 倒産理由」「馬上かまぼこ店 負債」「吉次入りかまぼこ」「かまぼこ業界 原材料高」について、確認できる事実と業界を取り巻く環境を整理します。
・馬上かまぼこ店は1912年創業の老舗メーカー
・2026年9月8日までに事業を停止し、自己破産申請の準備へ
・2002年6月期には年間約6億2600万円を売り上げていた
・2025年6月期の売上高は約4億700万円まで減少
・4期連続の赤字となり、約6000万円の純損失を計上
・負債額は2025年6月期末時点で約5億7100万円
・競争激化、原材料費高騰、店舗運営費増加などが重なった
馬上かまぼこ店が自己破産申請へ
今回の事業停止は、100年以上続いてきた地域の老舗食品メーカーにも、原材料高や固定費負担など厳しい経営環境が及んでいることを示す事例といえます。
報道された情報を基に、まず基本情報を整理します。
基本情報チェックリスト
☑ 会社名:馬上かまぼこ店
☑ 所在地:宮城県亘理町逢隈鹿島
☑ 業種:かまぼこなど水産練り製品の製造・販売
☑ 創業:1912年
☑ 法的手続き:自己破産申請の準備
☑ 事業状況:2026年9月8日までに事業停止
☑ 負債額:約5億7100万円(2025年6月期末時点)
信用調査会社の発表をもとにした報道によると、馬上かまぼこ店は2026年9月8日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入りました。
現時点では「破産開始決定」ではなく、自己破産申請へ向けた準備段階と報じられています。
1912年創業「吉次入りかまぼこ」などで知られる老舗
馬上かまぼこ店は単に長く続いた企業というだけでなく、独自商品を開発し、全国規模の品評会でも評価を受けてきたメーカーでした。
その代表的な商品として知られているのが「吉次(きちじ)入りかまぼこ」です。
全国蒲鉾品評会で水産庁長官賞を受賞
「吉次入りかまぼこ」などのオリジナル商品は、全国蒲鉾品評会で最高賞の水産庁長官賞を受賞するなど、高い品質を評価されていました。
つまり今回の事例は、「商品力がなかったから事業継続が難しくなった」と単純に説明できるものではありません。
優れた商品を持っていても、原材料費、販売競争、店舗運営費など企業全体の収益構造が悪化すれば、経営が厳しくなる場合があります。
売上高は約6億2600万円から約4億700万円へ
馬上かまぼこ店の経営状況を見るうえで注目されるのが、過去の売上規模と直近の業績です。長期的な売上減少に加えて赤字が続いていました。
確認できる数字を比較すると、経営環境の変化が分かります。
| 項目 | 金額・状況 |
|---|---|
| 2002年6月期の売上高 | 約6億2600万円 |
| 2025年6月期の売上高 | 約4億700万円 |
| 2025年6月期の純損失 | 約6000万円 |
| 赤字 | 4期連続 |
| 負債額 | 約5億7100万円 |
| 財務状況 | 債務超過 |
2002年6月期に約6億2600万円だった年間売上高は、2025年6月期には約4億700万円となりました。
単純比較すると約2億1900万円の減少で、約23年間で売上規模はおよそ35%縮小した計算になります。
さらに2025年6月期には約6000万円の純損失を計上し、債務超過に陥っていました。
馬上かまぼこ店はなぜ倒産へ?3つの要因
報道された内容からは、経営悪化の原因を一つだけに絞ることはできません。競争環境とコスト上昇が重なったことが大きなポイントです。
主な要因を3つに分けて見ていきます。
1.同業他社との競争激化
まず挙げられているのが、同業他社との競争激化です。
食品は品質だけでなく、販売価格、販売網、知名度、商品構成など複数の要素で競争する必要があります。
老舗としてのブランド力や受賞歴があっても、競争が激しくなれば売上や利益を維持することが難しくなる場合があります。
2.原材料費の高騰
もう一つ大きな要因となったのが原材料費の上昇です。
かまぼこなどの水産練り製品では魚のすり身が主要原料となりますが、近年は業界全体がすり身価格の上昇に直面しています。
日本かまぼこ協会は2026年6月、世界的なすり身供給のひっ迫や包装資材の供給不安、価格高騰などについて緊急声明を出すほど厳しい状況にあるとしています。
さらに2026年8月には、冷凍すり身の2026年下半期の仕入れ価格について、主要な輸入元である米国産が前年同期より2割を超えて上昇する見通しも報じられました。
こうした業界全体のコスト上昇は、かまぼこメーカーの利益を圧迫する要因になります。
3.店舗運営費の増加
馬上かまぼこ店では、店舗運営費の増加も重荷になったと報じられています。
店舗を持つ事業では、売上が減少しても家賃、人件費、光熱費など一定の固定費が発生します。
同社は不採算店舗の閉鎖や経費削減などを進めましたが、業績改善には至りませんでした。
1912年創業から事業停止までの時系列
100年以上の歴史を持つ馬上かまぼこ店ですが、近年は赤字が続き、最終的に資金繰りが限界に達したとされています。
確認できる主な流れを時系列で整理します。
時系列フロー
1912年 馬上かまぼこ店が創業
2002年6月期 年間売上高約6億2600万円を計上
その後 同業他社との競争激化や原材料費などの上昇が経営を圧迫
近年 4期連続で赤字を計上
不採算店舗の閉鎖や経費削減を実施
2025年6月期 売上高約4億700万円、純損失約6000万円を計上し債務超過へ
2025年6月期末 負債額約5億7100万円
2026年9月8日まで 事業を停止し、自己破産申請の準備へ
不採算店舗の閉鎖や経費削減といった対応は行われていましたが、その後も資金繰りが改善せず、事業継続を断念することになりました。
かまぼこ業界全体も原料高という厳しい環境
今回の経営悪化を馬上かまぼこ店だけの問題として見るのは適切ではありません。水産練り製品業界では、原料調達と製造コストの上昇が大きな課題となっています。
特に重要なのが、主要原料となる冷凍すり身です。
| 比較項目 | 馬上かまぼこ店 | かまぼこ業界を取り巻く環境 |
|---|---|---|
| 原材料 | 原材料費高騰が経営を圧迫 | すり身価格の上昇・供給不安 |
| その他コスト | 店舗運営費が増加 | 包装資材・物流・人件費なども上昇 |
| 競争環境 | 同業他社との競争が激化 | 価格と品質の両立が課題 |
| 対応 | 不採算店舗閉鎖・経費削減 | 価格改定や生産効率化などが必要 |
日本かまぼこ協会は、原材料だけでなく包装資材や物流など複数のコスト上昇が同時に進む状況について、企業努力だけでは吸収が難しくなっていると説明しています。
品質を落とさず価格をどこまで転嫁できるかは、地域の老舗メーカーを含めた業界全体の課題といえるでしょう。
従業員・取引先・利用者への影響は?
事業停止となったことで、今後は従業員の雇用、取引先への支払い、店舗や商品の扱いなどにも関心が集まります。
ただし、これらの詳細については現時点で公表された情報が限られています。
今後確認が必要なポイント
・各店舗の最終的な営業状況
・従業員への影響
・取引先や仕入れ先への影響
・商品の今後の販売状況
・自己破産申請の時期
・裁判所による破産手続開始決定の有無
特に注意したいのは、2026年9月8日時点の報道では「自己破産申請の準備」に入った段階であることです。
今後、実際に申請が行われ、裁判所が破産手続開始を決定した場合には、負債額や債権者などについて新たな情報が明らかになる可能性があります。
ネット上で注目されやすい点
・1912年創業という100年以上の歴史
・全国蒲鉾品評会で評価された商品の存在
・約5億7100万円という負債規模
・原材料高が老舗食品メーカーへ与える影響
・地域で親しまれてきた商品の今後
FAQ
Q1:馬上かまぼこ店はどのような会社ですか?
A1:宮城県亘理町でかまぼこなどを製造・販売してきた1912年創業の老舗メーカーです。「吉次入りかまぼこ」などの商品でも知られています。
Q2:馬上かまぼこ店はすでに破産したのですか?
A2:2026年9月8日時点の報道では、事業を停止して自己破産申請の準備に入った段階です。破産手続開始決定が出たとする情報ではありません。
Q3:負債額はいくらですか?
A3:2025年6月期末時点で約5億7100万円と報じられています。
Q4:なぜ経営が悪化したのですか?
A4:同業他社との競争激化、原材料費の高騰、店舗運営費の増加などが重なったとされています。4期連続で赤字となり、2025年6月期には約6000万円の純損失を計上しました。
Q5:売上高はどのくらい減少しましたか?
A5:2002年6月期の約6億2600万円に対し、2025年6月期は約4億700万円でした。単純比較では約2億1900万円、約35%の減少です。
Q6:「吉次入りかまぼこ」はどのような商品ですか?
A6:馬上かまぼこ店のオリジナル商品の一つで、全国蒲鉾品評会で水産庁長官賞を受賞するなど品質面で高い評価を受けていました。
倒産回避の可能性はあったのか
今回の事業停止は、競争激化、原材料高、店舗運営費の増加、赤字の長期化などが重なった結果とみられます。
報道された情報の範囲から、経営環境がさらに悪化する前に取り得た可能性のある選択肢を整理します。
・原材料高を商品別の価格へ早期に反映する
・不採算店舗の整理をより早い段階から進める
・高付加価値商品の販売比率を高める
・店舗販売以外の販路を強化する
・赤字が長期化する前に金融機関や支援機関と再建策を検討する
原材料高への価格対応を早める
かまぼこ製造では原料となるすり身価格の変動が収益に直結します。
原価率を商品ごとに把握し、採算が悪化した商品について価格改定や商品構成の変更を早期に進めることで、利益率低下を抑えられた可能性があります。
ただし、値上げすれば販売数量が落ちる可能性もあるため、単純に価格を上げれば解決する問題ではありません。
不採算店舗の整理を早める
同社は実際に不採算店舗の閉鎖や経費削減を行っていました。
一方、4期連続の赤字となっていたことを考えると、より早い段階から店舗別の採算性を精査し、固定費の削減を進めていれば、資金流出を抑えられた可能性があります。
受賞商品を生かした高付加価値戦略
馬上かまぼこ店には、「吉次入りかまぼこ」のように品評会で評価された商品がありました。
こうしたブランド力を生かし、価格競争とは異なる贈答需要、地域ブランド、通販など付加価値を重視した販売をさらに強化することも選択肢の一つだったと考えられます。
ただし、実際にどの程度EC販売や販路拡大に取り組んでいたのかなど、詳しい販売戦略は報道だけでは確認できません。
金融機関や支援機関へ早期に相談する
赤字が続き債務超過になる前の段階で、金融機関や税理士、中小企業活性化協議会などと資金計画を検討することも重要です。
早い段階であれば、返済条件の変更、収益改善計画、事業譲渡、スポンサー探索など、複数の選択肢を検討できた可能性があります。
倒産回避策の優先順位
赤字が複数年続く企業では、売上拡大だけでなく、毎月流出する資金を減らし、手元資金を確保することが重要になります。
今回報道された経営悪化の要因から考えられる対応を整理すると、次のようになります。
| 優先度 | 考えられる対策 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 最優先 | 店舗・商品別の採算確認 | 赤字部門を把握して資金流出を抑える |
| 高 | 不採算店舗・固定費の見直し | 毎月発生する固定費を削減する |
| 高 | 原材料高に合わせた価格・商品構成の見直し | 利益率の低下を抑える |
| 高 | 金融機関・支援機関への相談 | 資金繰り改善や再建策を検討する |
| 中長期 | 高付加価値商品・販路の強化 | 価格競争への依存を減らす |
もちろん、これらの対策を講じていれば、必ず破産を回避できたと断定することはできません。
企業内部の資金状況、借入条件、店舗ごとの収益、販売戦略などは公表情報だけでは分からないため、ここで示した内容は報道された事実から考えられる選択肢です。
ただ、4期連続の赤字という状況から考えると、赤字が深刻化する前に固定費、商品別採算、価格、販路、資金繰りを同時に見直すことが、事業継続の選択肢を広げるうえで重要だったと考えられます。
まとめと今後の展望
馬上かまぼこ店は1912年創業の老舗メーカーで、「吉次入りかまぼこ」など高い評価を受けた商品を展開してきました。
しかし、同業他社との競争激化、原材料費の高騰、店舗運営費の増加などが重なり、4期連続の赤字となりました。
今回の事例から分かるポイント
・2002年6月期には約6億2600万円の売上高を計上していた
・2025年6月期の売上高は約4億700万円まで減少した
・同年度に約6000万円の純損失を計上し債務超過となった
・負債額は2025年6月期末時点で約5億7100万円
・2026年9月8日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入った
社会への警鐘
長い歴史や受賞歴を持つ企業であっても、原材料価格の上昇や市場競争、固定費負担など経営環境の変化から逃れることはできません。
特に現在の水産練り製品業界では、原料となるすり身の価格上昇や供給不安が続いており、中小メーカーにとって価格転嫁と収益確保が大きな課題となっています。
最後に
1912年から100年以上続いてきたかまぼこ店が事業継続を断念するというニュースには、売上高や負債額だけでは測れない重みがあります。
全国規模の品評会で評価された商品を持っていても、原材料高や競争激化といった経営環境の変化を乗り越えることは容易ではありません。
地域で長く親しまれてきた味や技術を、次の世代へどう残していくのか。今回の馬上かまぼこ店の事例は、老舗企業だけでなく、日本の地域産業全体が抱える課題について考えるきっかけになるのではないでしょうか。





