千葉県鎌ヶ谷市が、非正規職員の経験者を対象に正規職員へ登用する「特別枠試験」を初めて実施し、5人が合格しました。合格者は来年4月から月給が約2万円アップし、毎年昇給する正規職員として働けることになります。
「優秀なのに非正規のまま…」という長年の課題に、ついに一つの自治体が動き出したのです。なぜ鎌ヶ谷市がこのタイミングで特別枠を設けたのか。あなたも「非正規から正規になれる道がもっとあれば」と思ったことはありませんか?このニュースは、全国の公務員志望者や非正規で働く全ての人にとって大きな希望となるかもしれません。
ニュース概要(何が起きたか)
2025年12月3日、千葉県鎌ヶ谷市は県内自治体で初めて、非正規職員(会計年度任用職員)経験者を対象とした正規職員採用の特別枠試験の結果を発表しました。9月の適性試験と11月の面接を経て、22人の受験者のうち31歳〜49歳の5人(男性1人、女性4人)が合格。2026年4月1日付で一般行政職の正規職員として採用されます。
通常の採用試験では35歳以下の年齢制限があるところ、この特別枠は55歳まで受験可能。試験内容も筆記試験を省略し、実務経験を重視した形で行われました。
発生した背景・社会的要因
鎌ヶ谷市では近年、正規職員の離職率が上昇。若手職員が入庁後数年で民間企業へ転職するケースが増えています。一方で、非正規職員は長年にわたり市役所の複雑な業務を支えており、「実務能力は正規職員以上」という声も少なくありませんでした。
全国的な公務員不足・非正規依存の構造も背景にあります。総務省によると、地方自治体の会計年度任用職員は2024年度時点で約86万人に達し、正規職員の約3割に相当。待遇格差が大きいままでは優秀な人材が流出してしまう——こうした危機感が、特別枠創設のきっかけとなりました。
【要点】鎌ヶ谷市が特別枠を導入した3つの理由
- 正規職員の早期離職増加(入庁3〜5年で転職する人が目立つ)
- 非正規職員に優秀な人材が定着している現実
- 通常試験では年齢制限で経験豊富な人材を採用できない
影響を受けた生活者・地域の声
市内の非正規職員からは「長年働いてきたのに正規になれるチャンスがなかった」「子育てしながらでも挑戦できる年齢設定で助かる」といった喜びの声が上がっています。一方で「来年度からは市内経験者に限定されるらしい」との情報に、他自治体からの受験を検討していた人からは残念がる声も。
金額・人数・生活負担への影響
合格者の待遇は劇的に改善します。
- 月給:非正規時比で約2万円増
- 昇給:毎年あり(非正規はほぼなし)
- 賞与:年2回(非正規は一部のみ)
- 退職金・各種手当:正規職員と同等
鎌ヶ谷市の職員構成(2025年4月現在)
正規職員:780人
フルタイム非正規:110人
パートタイム非正規:757人
5人の正規化は数字的には小さいですが、「道が開かれた」ことのインパクトは計り知れません。
行政・自治体・関係機関の対応
鎌ヶ谷市長は「会計年度任用職員は市役所の重要な戦力。能力のある方に正規職員として長く働いてもらいたい」とコメント。2026年度以降は対象を「鎌ヶ谷市での非正規経験者」に限定する方向で調整中です。
千葉県内他市町村でも注目が集まっており、流山市や我孫子市などでは「検討を始めたい」との声が上がっています。
専門家の分析
地方行政が抱える「若手流出・中高年非正規依存」の構造を打破する試みとして、公共政策の専門家は高く評価。一方で「特別枠の拡大が通常試験の公平性を損なうのでは」との懸念も指摘されています。待遇改善と並行して、若手正規職員の職場環境改善が急務との声も強いです。
SNS・世間の反応
X(旧Twitter)では「やっと非正規の努力が報われる時代が来た」「うちの市もやってほしい」「55歳までOKって革命的!」と歓迎の声が多数。一方で「結局5人だけ?もっと枠を増やして」という意見や「民間企業経験者は対象外なのが残念」といった声も見られます。
今後の見通し・生活への広がり
鎌ヶ谷市の試みは、全国の自治体に波及する可能性が高いです。総務省も「経験者採用の拡充」を推奨しており、2026年度以降、他自治体での同様制度導入が相次ぐと予想されます。特に人口減少が進む地方ほど、非正規からの正規登用は現実的な人材確保策として注目されるでしょう。
FAQ
Q. 誰でも受験できるのですか?
A. 2025年度は国・他自治体での非正規経験者も対象でしたが、2026年度以降は鎌ヶ谷市での経験者に限定される予定です。
Q. 試験内容は難しい?
A. 筆記試験はなく、適性検査+面接のみ。実務経験が重視されます。
Q. 給料はどれくらい上がる?
A. 個人差はありますが、合格者の多くが月額約2万円、年収では50万円前後のアップが見込まれます。
Q. 他の市でも導入される?
A. 千葉県内では複数の市が検討中。全国的に広がる可能性は非常に高いです。
まとめ
鎌ヶ谷市が踏み出した「非正規から正規への特別採用」は、長年放置されてきた待遇格差に一石を投じる取り組みです。合格した5人はもちろん、これから続く多くの非正規職員にとって「努力が報われる道」ができたことを意味します。
あなたの街でも、いつか同じ制度が始まるかもしれません。非正規で働く全ての人にとって、これは間違いなく希望のニュースです。
