- 津市の放課後児童クラブで児童ら21人が腹痛・下痢を発症
- 原因は12月23日に提供された仕出し弁当
- 17人の便から「ウエルシュ菌」を検出
- 調理した津市内の弁当屋は営業禁止処分に
- ウエルシュ菌は「加熱しても死なない」特性がある
1. 概要:津市の放課後児童クラブで何が起きたのか
2026年1月3日、三重県は津市内の放課後児童クラブを利用していた児童および職員、計21名が食中毒症状を訴えたと発表しました。発症したのは7歳から57歳の男女で、その大半が児童です。
津保健所の調査によると、原因は昨年12月23日に昼食として提供された弁当であることが判明。発症者のうち17名の便から「ウエルシュ菌」が検出されたため、保健所はこの弁当を調理した市内の業者による食中毒と断定しました。
2. 発生の背景・原因:なぜ「ウエルシュ菌」が発生したのか
今回の原因菌である「ウエルシュ菌」は、別名「給食病」とも呼ばれる細菌です。この菌の最大の特徴は、酸素のない場所を好み、かつ100℃の加熱でも死滅しない「芽胞(がほう)」を形成することにあります。
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弁当屋のような大量調理施設では、大きな鍋で煮込み料理やおかずを一度に作ることが多く、中心部の温度が下がりにくい状況が生まれます。今回も調理後の冷却不十分や、室温での長時間放置が菌の増殖を招いた可能性が高いと考えられます。
3. 関係者の動向・コメント
放課後児童クラブの運営側は、冬休み期間中の昼食提供として当該の弁当屋を利用していました。被害に遭った児童の保護者からは「安心して預けていたのにショックだ」という声が上がっています。
一方、処分を受けた弁当屋の店主は、保健所の調査に対し全面的に非を認めており、衛生管理体制の不備を謝罪しているとのことです。現在は営業を停止し、調理器具の消毒や工程の見直しを余儀なくされています。
4. 被害状況や金額・人数
今回の食中毒による具体的な被害状況は以下の通りです。
- 発症者数:21名(7歳〜57歳)
- 主な症状:腹痛、下痢
- 重症度:入院を要した人はおらず、幸いにも全員が既に回復傾向にあります。
金銭的な賠償については現時点で公表されていませんが、一般的に食中毒事故では治療費や慰謝料の支払いが発生するため、当該業者にとって大きな打撃となることは避けられません。
5. 行政・警察・企業の対応
三重県および津保健所は、迅速に立ち入り調査を実施しました。1月3日付で当該の弁当屋に対し、食品衛生法に基づく「無期限の営業禁止処分」(改善が確認されるまで)を下しています。
また、県は他の給食・弁当事業者に対しても、冬季の衛生管理の徹底を呼びかける通知を出す方針です。警察による事件性の捜査については、現在のところ過失致傷等の動きは見られませんが、行政処分が先行する形となっています。
6. 専門家の見解や分析
食品衛生の専門家は、「冬場でもウエルシュ菌のリスクは非常に高い」と警鐘を鳴らします。一般的に食中毒は夏に多いイメージがありますが、ウエルシュ菌はカレーや煮物など、冬に好まれるメニューで発生しやすいのが特徴です。
「一度加熱したから大丈夫」という過信が、今回のような事故を招きます。専門家は、調理後は速やかに小分けにして冷却すること、再加熱する際は中心部までしっかりと火を通す(かき混ぜながら加熱する)ことの重要性を強調しています。
7. SNS・世間の反応
SNS上では、放課後児童クラブという子供が集まる場所での発生に対し、厳しい意見が目立ちます。
- 「21人も苦しんだかと思うと胸が痛い。特に子供はかわいそう」
- 「ウエルシュ菌は大量調理の天敵。プロならもっと気をつけるべきだった」
- 「最近の物価高で光熱費をケチって冷却が甘くなったのでは?と勘繰ってしまう」
一方で、全員が回復したことへの安堵の声も見られました。
8. 今後の見通し・影響
当該の弁当屋は、保健所の指導のもと、徹底した衛生管理マニュアルの再構築が求められます。信頼回復には相当な時間を要し、地域での契約打ち切りも予想されます。
また、津市内の他の児童クラブや学校施設においても、仕入れ先の選定基準が見直されるでしょう。今回の事件は、地方自治体における「食の安全」に対する監視体制の強化を促すきっかけとなりそうです。
Q:ウエルシュ菌はどうすれば防げますか?
A:調理後はすぐに食べるか、保存する場合は急速に冷却して冷蔵(10℃以下)または冷凍することが重要です。
Q:加熱すれば死にますか?
A:通常の加熱では死なない「芽胞」を作るため、完全に殺菌するのは困難です。菌を「増やさない」ことが最大の対策です。
Q:弁当屋の営業再開はいつですか?
A:保健所による改善確認検査に合格し、再発防止策が認められるまで営業はできません。
